The Art of Music #4

 

2022年もたくさん周りに助けて頂くことばかりでした。本当にありがとうございました‼

2023年は新たなことにチャレンジしながら、日々の瞬間を大切に過ごしていければと思います。

皆さまにとって2023年が素晴らしい年になりますように!!!!




新春一発目は音楽、映像、踊りの即興イベントに参加させて頂きます。

場所は京都、河原町丸太町近くのsoco Kyotoさんです。

https://soco-kyoto.com/

まずオーナーさんのお人柄が素敵です。そして美味しいご飯やお酒が楽しめます。

Ceci さんはブエノスアイレス出身のダンサーさんで前回ご一緒させて頂いてから、アレキサンダーテクニックを教えてもらったりしています。バンドで演奏されてたこともあり、音楽の捉え方、瞬発性、表現力など教わることばかりでとても魅力あふれる方です。

音楽は誘ってくださったクリストファーさんをはじめ経験豊富な方ばかりで、ビデオアートのアティカスさんも哲学や脳科学などの知識もあって、面白いメンバーが揃っています。

もしお時間合いましたら、ぜひいらしてください。


「The Art of Music #4」

1月7日(土)19時スタート


Christpher Fryman (trumpet)

EDGE (bass clarinet)

William Prunkl (cello)

Caribe (electronics)

Atticus Sims (video art)

Ceci Elias (dance)

Meri Otoshi (dance)


〈Facebook page 〉

https://facebook.com/events/s/art-of-music/540025531044632/


料金:2000円


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The Art of Music #4

2023/1/7 (sat)

start:19:00〜 

price:2000yen

at soco Kyoto


Freely improvised music with acoustic and electronic instruments. 

Put this on your calendar before you forget.   One of the best events in the new year.  

第三回京都国際舞踏祭




桂勘さんが主催される「第3回京都国際舞踏祭」に有り難いことにお誘い頂き、参加させて頂きます。私の初日は12/14で、とても素敵な森定道広さんの演奏で踊らせて頂きます。

北海道から九州までのダンサー19組、アメリカ、中国、フィンランド、フランス、イタリア、ドイツ、ウクライナ、メキシコのダンサー計11組、音楽家5組が京都SPACE LEANに集う豪華な祭です。

有料オンライン配信もあります。 ぜひご覧いただければと思います。

kyoto-butohfes.com/kbf-2022/

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第3回京都国際舞踏祭2022

12月14日(木)~18日(日)5日間

京都国際舞踏祭はグローバルな舞踏のプラットフォームとして、2018年に第1回、2019年に第2回と重ね、海外から25名、日本から38グループを招聘してきました。精力と精神の「強度」を追求し、国際都市京都土方において巽の舞踏から芽吹いた思想家を育てることを目指します。

芸術監督 桂勘


出演:

14日(水)19:00開演

五十嵐香里・東北舞踏三角標 IGU・舞踏土佐派 大村万朶・

東雲舞踏 川本裕子・大歳芽里・高砂舞踏協同組合 きよこ

15日(木)19:00開演

伴戸千雅子・ファン・アントニオ・スイナガ・ガクシオラ・ブリジット・スコット・スコット

竹ち代毬也・エリック・ラーセン・the Physical Poets 藤條虫丸

16日(金)19:00開演 

ケン五月・袋坂ヤスオ・舞踏白狐系 杜昱枋

ポポル舞踏 サンドラ・ソト・カンパニー マ・ティエリー・カステル & 石川幸子・天狼星堂 大森政秀・

17日(土)18:00開演

Melissa Lohman&長内真理・Limón Dance Company KATHRYN ALTER

Olha Marusyn・YUKIO SUZUKI projects 鈴木ユキオ・Confluence Heyward Bracey

18日(日)18:00開演

桂勘/国際共同制作 Journey・Syv Bruzeau・舞踏白狐系・

・カンパニー cokaseki カセキユウコ・舞踏青龍會 原田伸雄


会場:京都スペース・エルファン(旧スペース・イサン)

https://www.facebook.com/  SPACE-LFAN-106656678783005/

〒605-0981京都市東山区本町10丁目151

アクセス:JR「東福寺」より徒歩5分、または京阪本線「七条」より南へ徒歩12分

※ご来場の際は公共交通機関をご利用ください

料金:予約制¥3,500./5日間通し券:¥15,000

チケット取り扱い:https://www.quartet-online.net/ticket/kyotobutohfes3

オンライン配信:https://kyotobutohfes2022info.peatix.com/

お問い合わせ:kanbutoh@yahoo.co.jp 

クラウドファンディング

https://camp-fire. jp/projects/view/611343  


主催:桂勘&京都国際踏切祭実行委員会

共催:高砂舞協踏同組合

協賛: 白狐道場、SPACE LFAN

協力:Arts PLAN DU 合同会社、office PARADIX K.、KOTOKURAS Inc.、株式会社フライマンアトリエミツコ、河合文化教育研究所・身体表現教育研究会

助成:文化庁Arts For the Future 2

11/30 FOuR DANCERS vol.236

11/30 (水)フォーダンサーズvol. 236に、峠佑樹さんと出演させて頂きます。

この日の出演者とスタッフはお会いすると和むと同時に、緊張もする踊りの鉄人たち(90年代の例え)。

峠くんとお会いしたのは、今は変わりし新風館だったような。即興で踊ることをやり始めたばかりで、一緒に稽古して、金魚のようにユラユラ動くことや力の抜き加減を教えてもらったのを覚えています。

今回は朗読と踊りで、峠くんディレクションなのですが、zoomでやり取りしているのが新鮮です。送られてきて、私の屈折した性格までも直してくれそうな気がしています。

お時間と体調が大丈夫でしたら、ぜひいらしてください!



寺田みさこ + 佐藤健大郎竹ち代毬也峠 佑樹

大歳芽里
西淳之介×ダンサー
照明:今村達紀
主催:アコーダンス
*受付で手指の消毒、及びマスク着用でのご入場をお願い致します。
文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業

◇ OPEN 19:00 / START 19:30
◇ 前売り2200円+1ドリンク / 当日2500円+1ドリンク
◇ダンサー。1600円+ワンドリンク



SOCO Music Summit #10


SOCO Music Summit #10 に参加させて頂きます。クリストファーさんと竹ち代さんのお誕生日イベントの際に、ご一緒したメンバーで楽しみです。ブエノスアイレス出身のダンサーCeci Eliasさんともご一緒させて頂きます。

10月15日(土)河原町丸太町近くにあるSOCOさんで19:00 p.m からになります。入場料は1500円です。

イベントが多い日ですが、もしお時間合いましたらぜひいらしてください~!

Facebook ページ

https://fb.me/e/1Np16KFAd

SOCO H.P(美味しいフードと飲み物がたくさん♫)

https://soco-kyoto.com/


SOCOサミットシリーズは、

現代の京都音楽芸術シーンの中心的存在の一つとなりつつあり、それ自体がジャンルになっています。ここ1年半の間、理想的な会場で音楽、アート、ダンスの異彩を放つパフォーマンスを行っています。今回はSOCO Summitの10回目になります。

 https://youtu.be/qLsdpLtpsJc

SOCO Summit#10では、Christopher Fryman、Jay Crystall、Andy Couzens、Edge Minami、Brian Vockerothの作品と才能に特別ゲストを迎えます。聴覚や視覚に働きかけ、精神的に高揚し、心を躍らせるようなパフォーマンスを実現しています。

 The SOCO Summit series has become one of the centerpieces of the contemporary Kyoto Music Art scene.  It is a genre in and of itself.  Emitting beams of music, art, and dance from the ideal venue for the past year and a half. SOCO Summit #10 is coming.

https://youtu.be/qLsdpLtpsJc

SOCO Summit # 10 combines the works and talents of Christopher Fryman, Jay Crystall, Andy Couzens, Edge Minami and Brian Vockeroth with some special guests to create a vibrational performance that is auditorily, visually and spiritually uplifting and transporting.   

「文車妖妃・La sorcière des Fuguruma」第1章を終えて

レナ・ヒリアートボルデさんと飯沼洋子さん


音楽はクリコ−ル・クーシアンさん


アデル・フレモルさん、カリン・シュラゲターさん、小寺雅子さん


(English below )

カリン・シュラゲターさんに誘われて、916日に「文車妖妃・La sorcière des Fuguruma」の第1章に参加しました。これは彼女がvilla_kujyoyamaで行っているリサーチになります。

私は新作の振付作品「第七官界へ・Fall into the realm of the Seventh Sense」を発表しました。カリンさんと「何が私を踊らせるのか」について話し、彼女は次のように訳してくれました。

「解離に近い瞑想、このパフォーマンスで、大歳は自分の意識に植物、動物、精神...を次々に宿らせる

彼女は、クリコール・クーシアンさんの「蝉が死んでいくのを聞きながら」という素晴らしい音楽を薦めてくれました。この音楽は、ヴィラ九条山で制作されたもので、彼の考えや経験したことが盛り込まれています。ヴィラで踊る助けにとてもなりました。

そして、レナ・ヒルアートボルデさんに出会いました。レナさんは、チリのanimitas(アニミタス)らインスピレーションを受け制作中のプロジェクト、« Sublim Théorie »を発表しました。小さな札に書かれたメッセージは、animitasアニミタスが、生の世界に、場違いな死者の存在を示します。

公演の前後に彼女やカリンと一緒に過ごした時間は短かったですが、彼女がやっていることに繋がりを感じました。彼女のアプローチは、彼女の魂から来るもので、とても壊れやすいように思えました。生と死の狭間で、日々の中に兆しを見出し、言葉を紡いでいるのだと感じました。

そして、「文車妖妃 ・La sorcière des Fuguruma」第2章が始まっています。「猿のお金・Monnaie de singe」と題し、ブルーノ・ボテラ氏の個展という形で、2022101日から24日まで、京都、ジャスミンの展示スペースで開催されます。

ブルーノさんは、これまでの作品についても説明してくれました。彼は、ドローイング、ビデオ、彫刻、写真を制作しています。その過程で、彼は身体、精神の知覚を変化させます。形成されつつも、同時に未形成である作品が多く、それは彼が制作中に自分の身体をコントロールできないようにすることによって創造されます。

私はカリンさんがその場の空気を作り出し、アーティストを思いがけない新しい世界を見るように仕向けていると感じました。それはすでにアーティストの中に存在しているものでもあります。

「文車妖妃 ・La sorcière des Fuguruma」のフグルマとは、書類を運ぶための乗り物です。文車妖妃は、ラブレターなどの手紙に込められた強迫観念から形成された妖怪のようなものです。古代の人々は、手紙に込められた執拗な思いは、やがて形あるものになると信じていたようです。

私は2008年から2010年までフランスのアンジェに滞在していました。1ヶ月間笠井叡さんに教わり、CNDCで室伏鴻さんにもお会いしました。

その時のノートのメモにこう書かれています。

「身体は本であり、舞踏はそれに関係するものです。まだ読まれていない本であり、外国語のように読み方もわからない。皮膚の内側と外側を考えると、ダンスは内側が基本で、外側は人と人の間の空間であり、すべてがエネルギーの流れとして存在する

カリンさんは、私の本をさらに読み込むきっかけを与えてくれたように思います。そして、ヴィラ九条山に滞在しているアーティスト達にも刺激を受けています。ヴィラ九条山でサポートして下さった横田さん、カミーユさん、鴻池さん、ミクさん、滞在中のアーティスト、セリーヌさん、リュディヴィーヌさん、ジョアンさん、ゆうこさんなどたくさんの方にお世話になりました。またご来場してくださった皆様、ありがとうございました。このような機会を与えてくださった全ての皆様に感謝致します。

#villakujoyama #institutfrancais #institutfrancaisjapon #アンスティチュ・フランセ日本 #fondationbettencourtschueller @fondationbettencourtschueller #ヴィラ九条山 #ベタンクールシュエーラー財団


Karin schlagi invited me to participate the first chapter of 「文車妖妃 ・La sorcière des Fugurumaon 16 September.It's her research at villa_kujyoyama.

I presented a new choreographic piece「第七官界へ・Fall into the realm of the Seventh Sense.I discussed with Karin “What makes me dance?”And she translated it like this.

Meditation close to dissociation, in this performance, OTOSHI Meri lets her consciousness be inhabited successively by a plant, an animal, a spirit...


She suggested me the great music “蝉が死んでいくのを聞きながら・Semi tape “by Krikor Kouchian.He created this music at villa kujoyama and it included what he thought and experienced.It helps me a lot to dance there.


And I met Léna Hiriartborde.Léna HIRIARTBORDE presented her current project "Sublim Theory", inspired by the animitas of Chile. Messages written on small notes, animitas manifest the untimely presence of Death in the world of the living.

I spend time with her and Karin before and after the performance.It's a short time but I felt there's a connection between what she's doing.Her approach comes from her soul and it looks very fragile .I felt that she finds signs in her days and weaves her words with a stillness between life and death.


Now Chapter 2 of 「文車妖妃 ・La sorcière des Fuguruma」 started  .Entitled 「猿のお金・Monnaie de singeand took the form of a solo exhibition by Bruno BOTELLA. From October 1 to 24, 2022, exhibition space in the basement of Jasmin Shop ジャスミン ,Kyoto.

Bruno explained to me his previous work also.He does drawing,video,sculpture and photography.During the process,He changes his perception of body ,mental and sensory etc...It formed but at the same time unformed.Because he tries to uncontrol his body during the creation.


I felt Karin created the atmosphere and drove the artists to see unexpected new worlds.But it already exists inside of artists.


Fuguruma is a vehicle used to transport documents .「文車妖妃 ・La sorcière des Fugurumaseems to be a specter formed from the obsessive thoughts that were put into letters,such as love letters.The ancient people believed that the persistent thoughts in a letter could eventually take a tangible form.


I was in Angers,France from 2008-2010.I learned from Akira Kasai in one month and met Ko Murobushi at CNDC also.I have a notebook at that moment.

It's written that,

The body is a book.Butoh is related to this.A book that has not yet been read.I don't even know how to read it.I have to learn the words,like a foreign book. When we think of the inside and outside of the skin,we can say that dance is based on the inside.The outside is the space between people,and everything exists as a flow of energy.”


I felt that Karin gave me the impetus to further read my book.And I'm also inspired by the artists in residence at Villa Kujoyama.Thank you to everyone who has supported and given me this opportunity.


無限グラヴィティ

『 無限グラヴィティ』副題:住吉山さんへ 「演劇クエスト」で無限グラヴィティに陥りました。


これはorangcosongさんの『演劇クエスト 高槻ノ無限回廊』を自己流でめぐった記録です。


〈演劇クエスト〉

https://orangcosong.com/jp/project/engeki-quest/

〈高槻芸術時間インタールード〉

https://inter-lude.net/


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17:55

阪急、高槻市駅に着く。京都の河原町から来ると大阪の匂いが少しする。そんな気がする。

改札を出る時に、おじさんがアンパンマンのように右手を上げたので何かの歓迎かと思ったら、私の後ろにいた女性の出迎えだった。


朝、演劇クエストの冒険の書という本を少し読んで新、旧どちらかの劇場に行くのが分かった。昨日高槻インタールードの別の展覧会、梅田哲也さんの「9月0才」で旧劇場内をめぐっていた時に、新劇場の一部が見えた。完成は2023 年3月予定で、現在は2022 年の9 月。

演劇クエストの会期は19 時までだが、日没前に終えないといけないようだ。





18:03 

劇場横の野見神社が見えてきた。劇場のロビーに行って挨拶するのはやめよう。きっと親切心でヒントを貰ったら、それに従ってしまう。

本を開く。周りで本を持っている人がいないので、乗り遅れた気分になる。

ロビーに行き、大階段を下りたという体で、劇場で懐古するのを後回しにする。





18:10 

神社は好きなので入ってみたものの、水筒で何か飲んでいる人がゲェーッと言っている。社が幾つかあり、お稲荷さんもいらっしゃる。

境内には高槻戎神社や永井神社もある。

青年がほろ酔いなのか「お姉さん、なんかある?」と来る人来る人に訊いていて、私も訊かれ「なんもないよ。おまいりする?」と伝えて一緒に詣ったので、気もそぞろになる。

栞代わりに挟んでいた指も本から抜けて、完全なるロスタイムだ。蚊に刺される。

牛頭天王を祀る神社と書いてあり、聞いたことある神様だと思ったら八坂神社の御祭神だった。厄災を除いてくれる神様として信仰され、様々な神に由来を持つそうだ。







18:21 

次の指示にある交番をグーグルマップで探す。犬と目が合う。さぞかし不安な目をした人間に見えただろう。


18:27 

さっき同じように話しかけられていた本を持った人が行った方向に交番はある。が、「公園が近い交番」はないので来た道を戻っている内に充電が切れ、ほんとに迷う。ゲームオーバーか。

新劇場が見え、思ったより工事が進んでいた。

歩道橋はどこなのか。

信号が青なので渡ろうとしたら、間違ってタクシーが進んできて危うかった。






18:33 

携帯を充電しながら、ただただネーミングが惹かれる城公園に向う。日没して、もうよく分からないのでゲーム外だが、どこかの段落にこの公園が出てくると期待している。


18:37 

公園という文字を見つけたが、指示に次の指示の番号がなく「公園に面したマンションの建物に記された番号のパラグラフに進むこと」とある。

ポメラニアンと目が合い、吠えられる。飼い主が「あかんでー」と言って綱を引っ張っているのに、まだ吠えている。

マンションを探すことを半ば諦めかけているが、公園灯がある為まだ本が読める。




18:43 

巨大なタコの遊具が見える。同じ段落の中に、「タコに近付き、左手上空のほうを眺め、公園に面したマンションの建物・・・」と書いてあった。

あれはマンションなのか、学校なのか。

学校っぽいけど、マンションか。

タコはご陽気な顔である。





18:49 

こんな私にピッタリの文字を見つける。

「オーケー。そしたらまずは、この公園に流れる時間に身を委ねてみることにしよう」





18:55 

ミラクルが起こり、プロローグ・後編 チクタク道の段落に繋がっている。

そこにある3つの選択肢の内、残念ながら「タコの背後の方向に伸びている道」しか分からない。

街のネオンのように光る首輪をつけた犬二匹に、匂いを嗅がれる。






19:01

先程と違う神社に誘導され、入るか入らないか迫られるが、暗闇の神社は怖い。小心者だ。





19:13 

神社の左の道を進んだが、書いてある「趣のある酒蔵」が見当たらない。酒で検索し、カタカナ表記の建物が気になりクリックしてしまう。ポルトガル語ではじめましてという意味らしい。二股道に惑わされる。仕方がないので、親子連れの後をついて行く。高槻城東大手門跡の看板の下に、市立しろあと歴史館の案内がある。

巨大なネズミが二匹前を横切ったが、デカい。新宿で見たネズミと同じくらいかもしれない。

さっきの公園での三択に歴史館があったはずと探すと、歴史民俗資料館だった。

ラブラドールレトリーバーの吐息が聞こえ、過ぎていった。







19:19

歴史民俗資料館からの指示の続きを幾つか読む。「角に写真館のある交差点」と出てきたので、写真館を検索する。


19:23 

写真館が多すぎやしないかと思い、同じ段落のコンビニも検索するが、コンビニを検索した私が愚かだった。キレイな老人ホームの上空にある星を見て「綺麗」と呟いてしまった私の手を、また蚊が刺した。駅があるだろう方向に歩く。


19:28 

柴犬と目が合う。これはゲームなのだから、自由に時間を設定して終わっていいはずだ。ファミコンしかやったことがない私が唯一出来るのは、時間と目標設定とジャンプだ。

友達からのメッセージにひとまず返信する。明日劇場の横のスタバで会おうと書いてあったので、オッケーする。

JR高槻駅に20 時とゲーム設定をした。達成出来ればジャンプだ。





19:36 

道に石がわざわざ置いてある。せめて面白写真くらいは撮って帰りたい気持ちになっている。月に一回は来ている高槻で、道に迷う新鮮さ。

上半身裸のお兄さんが、多分彼の家の前でスマホを触っている。弾ける解放感!と思っている場合じゃない。





19:45 

何しに来たのかも数分忘れていた。本を読むんだった。駐車場に白いポールが数本固まっていて、ニョロニョロに見える。本に出てくるかもと思ったが、出てくるわけがない。





19:51 

公園だと思ったら、京口町ポケットパークと書いてある。小さいとポケットなのか。向かいのマンションに「いててや」と書いてある。私のようなイタい人達が集まる店なのかと思い検索したら、ジャズが流れる定食屋さんらしく美味しそうだ。

救急車のサイレンが聞こえる。私の横で徐ろにおじさんが自転車に空気を入れ始める。

私にもガソリンを入れてもらいたいところだ。





19:58 

阪急高槻市駅の標識が見える。目的の駅と違うが良しとする。クライマックスとして歩道橋に上り写真を撮る。

住吉山さんに嫌われるかもしれないが、「やったぜクエスト」と送りたい。すぐゲームオーバーになり、後は血迷ってましたと言いづらいけど。





20:02 

まだ駅ではない。何か食べて帰りたいと思って目に入った店には、こんにゃくしかない。こんにゃくのぴり辛ステーキも、こんにゃくの唐揚げも美味しそうだが、私の失われた体力の回復はしてくれなそうだ。





20:43 

結局モスバーガーに入り、本を読み切る。ポケットパークの文字はなかった。仇討ちの辻に行ったり、電話ボックスから電話をかけたり、バスにも乗ったり、楽しそうだ。

段落十九に「迷子じゃありません、冒険者です」とあるが、私は迷子だった。ヤケクソで本に書いてある携帯番号に電話したら、留守電になりそうで切った。


20:53 

最後の文から本編 時ノ無限回廊の段落に行き、JR高槻駅からの道を心で駆け巡って、途中で終わった。

「目の前に見えるものだけに囚われないように。心のグラヴィティで感じてほしい。」と書いてある箇所だ。


心のグラヴィティって何だ!?

その前に書かれてる「わんぱく動物ランド」行きのバス系統番号と同じパラグラフに進めないと一生わからないに違いない。閉店時間だ。


21:00 

無限回廊高槻を出る切符をやっと手にする。かれこれ3時間もいたのは、磁場の強さのせいなのか。

8時間労働を終え、本を見せながら演劇クエスト行ってくるわとだいぶ年下の仕事仲間に告げたら、「元気ですね〜」と言われた。その時はプロローグ・前編の30 分の予定でいた。

冒険者達の集いという参加者達で語り合う会が、公園で行われていたとSNSで知る。気付かず彷徨っていた姿をどうか見られていませんように!

今度磁場が弱い場所で開催されるなら、昼間に気心がしれた人とカジュアルな冒険をしたい。